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京菓子辞典


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50音別          

ジャンル別 歴史 主菓子 干菓子 菓子器関連 好み菓子

50音別  や  

歴史
有職菓子
ゆうそくがし
有職故実にちなんだ菓子のことで京都で発達した。有職菓子といえば、京都の上菓子司の独舞台のようなものである。
禁中との関係もあり、朝廷や公家の礼式、古典に明るいその道の家元が京都にいて、その方達が菓子司に教えたのである。


主菓子 雪の梅)
ゆきのうめ
白の求肥皮で紅餡を包み、取粉の代わりに上からごく細かい落雁粉を使用して、雪の中のほんのり紅い梅に見立てている。
裏千家十三代 圓能斎好。


  雪間草
ゆきまそう
花をのみ待つらん人に山里の 雪間の草の春を見せばや   家隆

残雪の溶けた隙間から、芽ぐむ草を雪間草という。
利休居士愛誦の歌でもあるこの銘から萌出ずる草を緑色に仕立て、残雪を山芋のきんとんで作り上げた、茶味のある菓子である。


  山路の春
やまぢのはる
薯蕷仕立ての織部風の饅頭に、蕨の印をつける。
峯の早蕨を連想した菓子。


  蓬餅
よもぎもち
米の粉に蓬をまぜて団子皮を二つ折にして粒餡を包む。
よい香りがして野趣のある蓬には邪気を払う力があり、食すれば寿命がのびるという中国の思想から起こったらしい。


  四葩の花
よひらのはな
 

  夕立
ゆうだち
 

 

山の幸
やまのさち

 

  よわい草
よわいぐさ
 

  雪餅
ゆきもち
 

  雪の朝
ゆきのあさ
 

  蓬饅頭
よもぎまんじゅう
白の薯蕷饅頭で、上部に蓬の葉を刻んだものを散らしつける。中は小豆餡を入れる。
裏千家十代 柏叟好。


  百合金団
ゆりきんとん
外部を、白小豆と百合根を合わせて白きんとん仕立てに作り、中は小倉餡。
安政二(1855)年十月に裏千家十一代 玄々斎が好まれたもの。


  弥さか茂ち
やさかもち
皮は麩焼で、芯に切餅を入れた味噌餡を包む。やや長方に包み、表面に木瓜または巴の焼印を押す。
表千家十三代 即中斎好。


  藪団子
やぶだんご
藪内家は好み菓子は少なく、藪団子も代々手作りで、燕庵好みとして十一代透月斎のころまで使用。
道明寺糒(ほしい)を蒸し、団子に作る。器は主に菓子碗を用いる。碗中に敷砂糖をして団子を入れ、上からまた砂糖を振って用いる。


  柚饅頭
ゆずまんじゅう
黄ばんだ柚の上部を切り、肉を切った中に小さい饅頭を詰め、上の皮を元のようにして蒸し上げたもので、これも小口切りにして使う。
堀内家八代 松翁好。


干菓子
山路の梅
やまぢのうめ
白の落雁の上部へ大徳寺納豆を散らして、梅に見立てる。
裏千家十三代 圓能斎好。


  山路の菊
やまぢのきく
 

  山路
やまぢ
 

  雪輪
ゆきわ
 

  八束穂
やつかほ
秋の稔りを見立てたもので、黄色落雁仕上げである。
裏千家十一代 玄々斎好。


好み菓子

藪内流
やぶのうちりゅう
藪内流歴代家元の好み菓子。
透月斎好(十一代) 藪団子・檜葉饅頭・吉祥


  宗偏流
そうへんりゅう
山田宗偏の好み菓子。
宗偏饅頭

参考文献:『茶菓子の話』(淡交社)、『カラー 京都の菓子』(淡交社)。すべて鈴木宗康先生著



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