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京菓子辞典


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50音別          

ジャンル別 歴史 主菓子 干菓子 菓子器関連 好み菓子

50音別  は  

歴史
雛祭り子
ひなまつり
その昔、上巳(じょうし)の日に形代(かたしろ)を作って、祓いを行っていたことが雛祭りに変わって、宮中や貴族の遊びになっていた。それが女子の行事、五節句として、今日のように盛んになったのは徳川時代以降である。
現在でも神社によっては、紙で作った立雛形式の「かたしろ」を授与しているところがあるが、これはみそぎが形式化されたものである。
「かたしろ」に名前や年を書いて、身を撫でて穢れや禍をそれに移すので「撫物(なでもの)」とも呼ばれる。


  花見
はなみ
桜の花を愛でること。
洛南醍醐の花見は、豊太閤の昔から今も残る催しである。


主菓子 花びら餅(菱葩)
はなびらもち
(ひしはなびら)
正月といえばまず餅である。鏡餅の儀式は古くから伝わるが、餅が歴史に出てくるのは、紀元前二、三世紀の弥生時代からで、中国伝来ではなく日本独特のものである。
平安朝には正月に、宮中で「お歯固め」という重要な儀式があった。これは餅を噛むことで、歯は齢に通じて齢を固めるところから長寿を意味する。この儀式に用いるものは、蓬莱飾りの鏡餅と菱葩の包み雑煮である。年賀参内の公卿には「雉酒」と菱葩が出るのである。
昔は雉の肉を入れたものを、江戸時代には焼豆腐の一片を雉に見立て、土器に入れ、熱い酒をその上から注いで、お肴の菱葩は白い丸い餅の上に赤い菱型の餅を重ね、柔らかく蒸した牛蒡二本に味噌を塗ったものを芯にして編笠に折ったもので鏡餅と菱葩が調達される。
宮中御定式の御鏡餅には、白木大三宝に大奉書二枚重ねを四枚敷き、その上に「ほなが」「ゆづり葉」の二枚重ねを四方へ配し、その上へ鏡餅をのせる。その餅も禁裡・賢所三斗・女院二斗・仙洞御所二斗五升・宮家一斗五升というようにそれぞれ量が定められてある。
正式のものは下が白餅、上が赤餅の重ねであって、賢所の御神供は赤・白・赤の三重である。そして鏡餅の周囲にはころ柿二十、蜜柑二十、柑子二十、橘二十、萓二合、勝栗二合を並べ、橘と柚を四隅に一個ずつ交互に置いてある。
鏡餅の上には大葩(薄く延ばした円形の白餅)十二枚、大菱(菱型赤餅)十二枚をのせ、その上から大長昆布を二枚重ねに、「ほんだわら」二把を添え、三宝の左右にたらせる。
昆布の上には串柿二本をのせた上に、砂金餅というきんちゃく形の白餅に、伊勢海老を紅白の水引で結びつけてのせる。
菱葩は、現在は菓子化されているが、「歯固めの式」の包み雑煮や御定式にあるように、白餅を丸く平らにして赤い小豆汁で染めた菱型の餅を薄く作り重ね、ふくさ牛蒡を二本置く。
これは押鮎に見立てる(鮎は年魚と書き、年始に用いられ、押年魚は鮨鮎の尾頭を切り取ったもので、古くは元旦に供えると『土佐日記』にある)。
また雑煮の意味で味噌を使用してある。
このような形になったのは明治中期頃のことで、川端道喜が売り出したものである。
初めは搗餅であったが、最近は求肥となっている。
一般に葩餅またはお葩というのは、菱餅のないもので、菱餅の重ねられたものを菱葩というのが正語である。
葩は、『山家集』に、花くだものといって団扁にして花弁に似たるとあって、梅や桜などの花びらに見立てたようである。
初春らしい菓子で、毎年独楽盆にのせ、裏千家の初釜に用いられる。


  白梅
はくばい
花の兄、春告草ともいわれ、奈良朝に渡来したころは白梅が主であって、紅梅は平安朝といわれる。白はすがすがしく清楚な新春らしいもので女性的なやわ肌のような美しさがある。
米の粉の団子皮で白餡を包み、寒晒しにまぶして仕上げてある。


  冬の山路
ふゆのやまぢ
山道はこなし製で、古くからある棹物。
三ヶ所ほどへこませて山なみを感じさせる。白こなしと小豆色のこなしを外皮として、中央に小豆餡を包む。
これを小口切りにすると遠山の峯に雪をいただく感じがあらわれ、春や秋の山路とちがって木枯らしの厳冬の北風を感じさせる。
色彩的にしぶく暖かみのない色合いである。


  引千切
ひっちぎり
ひっちぎりは、小豆餡をよもぎ団子皮で包むか、または、よもぎ餅の中央のくぼませた部分に置く菓子である。角のようなところは、ちぎったときにできるのである。
これは戴餅に由来するが、いずれにしても子供の生育を祝うための餅である。
京都では子供出産の時に女児ならば、これを婿方の家に贈る風習があったらしい。
現在、三色に作る引千切は、雛祭りの菓子の第一である。
配色をきれいにこしらえたもので、きんとんなどを美しくのせたものもある。
また、節句に用いないで、4月8日釈尊誕生日に蓮に見立てて、いただきと称して売るものもある。
誕生の意味から宗教にも用いたのであろう。
龍舌餅ともいわれる。


  春がすみ
はるがすみ
外郎皮を花びらのように丸く薄く延ばし、紅餡を挟み、二つ折にした菓子。
その様子は、ほんのりとした紅色が春がすみがかかったように暖かく見える。


  初ざくら
はつざくら
ぽつりぽつりと咲き出した初桜の風情を表現している。
濃淡、淡い紅のそぼろをぼかし目につけて仕上げたきんとんで、ほのかな紅は春らしい色彩である。


 

月見団子
つきみだんご

 

  ほらがい餅
ほらがいもち
貝寄せにちなんで軟らかい羽二重肌の餅で黒の漉餡を包んでいる。
ほら貝の形で、皮ごしに餡が透けて見えるように濃淡がたくみに作られている。
中に小豆餡を入れて焼目をつけたものもある。
古いデザインである。


  春の日
はるのひ
薯蕷饅頭の上に桃の焼印をつけてほのかにピンク色に染めて春のムードをそえている。


  春風
はるかぜ
蕨餅の中の餡を青餡にしてある。”春立ちて野辺の下萌”の意味で、早蕨を表して季節感を出している。
蕨餅には蕨粉を煮固めてちぎり、豆の粉でまぶしたものもある。
裏千家十三代 淡々斎好。


  花車
はなぐるま
雛の節句にふさわしく、花弁のような花車を菓子に織り込んで、薄桃色の薄皮で餡を包んだ口当たりのよい菓子である。


  春の野
はるのの
黄と青に染分けた練物。厚さ約1cm。色は淡色である。
裏千家十一代 玄々斎が、春の菜畑にちなんで好まれた。


  花筏
はないかだ
花筏とは、水面に散って流れてゆく花弁を筏に見立てたもの。
菓子の花筏は、求肥製に焼印で桜花をちらしてあり、禁裡御用の古い京菓子として伝えられている。銘は御所から賜り、花筏の細長い丸太の形に、晩春にふさわしい、器の中の組み方によって筏のごとくに形づけてある。
茶味のあるもので、皮のやわらかい紅に染められた肌は口当たりが大変よい。


  花紅
はなくれない
青色と白の染分に仕上げたきんとんで、黒餡入りで紅餅種になっている。
花は紅、柳は緑から、四月に裏千家十五代 鵬雲斎が好まれた。
春の景色の美しさを形容された菓子で、京の町をあらわしている。
柳桜をこきまぜて  都ぞ春の錦なりけり


  花見団子
はなみだんご
春の茶会にふさわしい菓子である。白煉餡を紅に染め、緑色は蓬をまぜて、また漉し餡の三色の団子を青竹串にさす。
また漉餡と白餡と漉餡の三色にすることもある。この場合には、芯に米の粉を団子に使うこともある。


  花衣
はなごろも
うす紅のねりものを薄くのばし、二つ折り、桜の花型を一輪つけている。美しく、春らしい菓子である。
また、二種の色を重ねて二つまたは四つに折ったもので、桜襲ね(かさね)からでた名でもある。


  花かすみ
はなかすみ
薯蕷の上にほのかな春の色を彩ってぼかしあげ、二本の焼線で霞を連想させている。


  藤の花
ふじのはな
明治の頃から伝わるもので、白外郎に小豆漉餡を包み、上部に小豆粒をつけたものやしんこに小豆粒をつけたものである。
求肥皮で白餡を包みあげることもある。
"藤の花"といわれてみればどことなくそう思われるところに茶味がある。


  花菖蒲
はなしょうぶ
蒸しこなし製で、光琳写しの花菖蒲をかたどって白餡を包んだもので季節に適している。
花菖蒲は水辺の多年草で燕子花(かきつばた)に似ているともいわれる。


  萩の餅
はぎのもち
江戸時代の中期に栄えた餅加工品の一種で糯米と粳米とを合わせて蒸し、飯にしてすり鉢の中で摺る。それを団子にして蒸し、小豆餡か大豆粉をまぶして食する。
これを「萩の餅」とも「萩の花」ともいう。
「お萩」などともいわれるが、萩の花の咲き乱れたところからその銘がつけられ、牡丹の花にも似ているので、「牡丹餅」ともいう。


  法の袖
ほうのそで
黄色の餅菓子で香包の品のよい型の上に源氏香の焼印を押したものである。
その他にこの銘は裏千家十三代 圓能斎好みの法事菓子があり、白、黄二枚重ねの外郎仕上げで、中に調味した味噌餡を入れ、四つ折にする。柚味を薄くつけることもある。


  初雁
はつかり
白のこなし皮で小豆餡を包み、直径4.5cmほどの平たい丸型に作り、表面に雁の型を押したもの。高さは1.5cmほど。
裏千家十二代 又妙斎好。
蒸羊羹仕立てのものは、裏千家十四代 淡々斎好。
これは、中に百合根を散らしてあり、小口切にすると、一つか二つ切口に白い百合根が雁のように見える、というもの。葛の黒砂糖製もある。


  萩の露
はぎのつゆ
緑色のきんとん地の上に小豆をちらしたものであるが、この他に道明寺の中へ小豆を散らし、青く染めた寒天を加えて煮あげた棹物もある。小口切にして使い、青色の中に道明寺の白、小豆の薄紅が透けて見え、この菓子の銘をよく表現している。
小豆を萩の花として白花、紅紫花をちらしている。
白露を とらば消ぬべし いざやこの 露にきそひて 萩の遊びせむ  万葉集


  氷室
ひむろ
葛製饅頭で中には氷に模した三角形の羊羹を入れる。
氷室とは、天然の厚水や雪を、山麓の日陰に穴を掘って作った室で、六月朔日(ついたち)に禁中に氷を献上したものである。
裏千家八代 一燈好。


  深見草
ふかみぐさ
 

  富貴草
ふうきそう
 

  星の影
ほしのかげ
 

  星の光
ほしのひかり
 

  白露
はくろ
二十四気の一つ、処暑ののち十五日、新暦にして九月七、八日頃である。
秋の気配がようやく訪れて、露を結んで白くなった様子をいったもので、草木の葉などに露がたくさんできる。
緑きんとん製で上に露のごとく錦玉の光が美しく輝いている。


  葉月
はづき
 

  豊年
ほうねん
 

  初霜
はつしも
 

  初雁
はつかり
 

  冬籠
ふゆごもり
白い悪汁のない百合根を蒸し、裏ごしして砂糖を入れ、きんとんとし、小倉餡で包んで、茶巾絞りに仕上げたもの。
裏千家十二代 又妙斎好。


  姫椿
ひめつばき
 

  初雪
はつゆき
 

  藤袴
ふじばかま
外皮を玉子入り皮で小豆餡を巻き、棹物にしたもので、小口切りにして出す。


  麩焼
ふやき
あぶった片面に黒砂糖のスリ蜜を引いたもの。
麩の焼と麩焼を間違える方も多いが、異なるものである。
裏千家十二代 又妙斎好。
棒形焼麩を薄く6mmほどに切って菓子に使用したことは記録にある。


  紅小倉
べにおぐら
白小豆を淡紅色に染めた砂糖の蜜に漬けたもので、白餡を包んだものであり、贅沢な菓子である。腰高に作る。
裏千家十二代 又妙斎好。

  春の道
はるのみち
 

  紅小倉
べにおぐら
青色と黄色のこなし製で、双方を同じ厚さに作り、これを重ねて棹物に巻き、小口切にして使う。
裏千家十三代 圓能斎好。


  蓮根羹
はすねかん
水羊羹の中に蓮根の若いものを入れ、竹の皮に包んだ上から細縄がかけてある。あらかじめ冷やしておいて小口切にする。
裏千家十三代 淡々斎が金沢で好まれた。


  花あやめ
はなあやめ
薯蕷饅頭製で紫のぼかしがあり、緑の木賊(とくさ)を押した美しい菓子で、漉し餡を包む。
表千家十三代 即中斎好。


  檜葉饅頭
ひばまんじゅう
藪内家 燕庵好みとして代々使用され、現代まで伝わる。この菓子は餡ができてからの好みで、小豆餡入り小麦皮。上部に檜葉の焼型がある。小判形である。


干菓子
干菓子
ひがし
干菓子は見て美しくそして精巧に作られて生砂糖細工や有平糖にしても地方で見られないよさがある。

⇒ 主菓子

  福寿
ふくじゅ
打物で、福・寿の二種の文字が浮き出されている祝い菓子である。松の内に家々を訪れる祝言は福寿の喜びである。


  二見浦
ふたみうら
餅で作った白色の種煎餅で、白砂糖のすり蜜で半分をかすり引きにして、上はしに紅で少しぼかした上品なもの。裏面は表と同様にできていて、反対に蜜をひく。
裏千家十一代 玄々斎好。


  吹流煎餅
ふきながし
せんべい
 

  花橘
はなたちばな
 

  時鳥煎餅
ほととぎす
せんべい
 

  紅だすき
べにだすき
 

  蓮池
はすいけ
 

  瓢(夕顔)
ひさご(ゆうがお)
 

  ひさご


  星月夜
ほしつきよ


  蓮の葉
はすのは


  蓮房
はすふさ
 

初雁煎餅
はつかり
せんべい
 

  藤袴
ふじばかま
 

  吹き寄せ
ふきよせ
 

  初霜
はつしも


  紅蕨
べにわらび
紅色の有平。長さおよそ三センチで、やや太いほうがよく、美しい。
裏千家十代 柏叟好。


  半月煎餅
はんげつ
せんべい
小麦煎餅で、直径6cmほどである。二枚合わせとし、間に小豆餡を薄く塗り挟むのである。外部へ粉砂糖をつける。ほかに白きんとん、紅きんとんなどもある。
裏千家十一代 玄々斎好。


菓子器関連
縁高
ふちだか
茶事などの正式の場合に用いる。
五重が一組となり、蓋一枚となっている。
利休形といわれるものは、五寸角(約15.2cm)で角切りになっていて、高さ一寸五分(約4.5cm)の折敷の縁の高い器。真塗、直塗である。これはどんな菓子でも合う器である。
他に溜塗・春慶・飛騨・一閑などがあるが、これらは少し略式で、寸法もいくぶん相違がある。
庸軒好みの溜塗縁高のように、きわめて縁の低い浅いものもある。

■ 縁高の扱い方
 客五人に五重の縁高ならば、各重に生菓子を一個ずつ入れるが、六人以上の場合は、最上部へ二個、または人数が増えるたびに上の重から次の重へと一個ずつ数を増し、盛り付ける。
しかし最下部は正客用であるから、どんな時でも一個に限る。縁高を五つ重ね、上の重に蓋をし、その上に客の数だけ黒もじを形よく並べて客に出す。

縁高の綴じ目は、角型の時は向こうにいくようにして扱う。縁高は風炉の季節には露を打ってから菓子を盛り付けて出す。
縁高が出た時は、もっとも下の重が正客の分となるので、次客以下、下の重から順次取る。正客は、縁高の取るべき重(一番下の重)を自分の座っている畳の縁外正面にそのまま置いて、
上の重を重ねたまま両手で持ち、左へ回し、四隅を同じようにいざらせておき、黒もじを一本取り、自分の取るべき重(一番下)に入れ、いざらせた縁高は重ねたまま次の客との間へ正しく送る。以下同様にする。
空いた縁高は順次下座の客に送るが、自分の重は順次上に重ねておく。末客は蓋をして、送られてきた空の縁高の上に載せると運び出されたときのようになり、これを給仕口、または茶道口へ返しておく。
菓子を取った後、縁高は拭って返すのが本来だが、蒔絵があったり、時代の器の場合は、押える程度にしておくほうがよい。

  平盆
ひらぼん
螺鈿(らでん)の、青貝で細かく楼閣山水・人物・花弁などの図柄があるもの。形は四方・丸輪花(まるりんか)・八角・十二角などいろいろある。


 
ぼん
独楽盆(こまぼん) シャム製で、木地の丸盆に色漆で輪環状の模様を表わし、黄漆のはいっているものを尊ぶ。裏面の木地の味とか、ハツリ目など賞翫される。
矢筈盆(やはずぼん) 四角形で矢筈に切り込んだ縁がついている。羽田五郎その他の作がある。盛阿弥・道恵・道志・宗哲などの名工の手のものが多い。一閑は軽快な点が大変喜ばれる。籠地もあり、不入の張貫盆(はりぬきぼん)などもある。
砂張盆(さはりぼん) 南蛮砂張と朝鮮砂張があって、形は縁のある青海盆・輪花盆・掛合盆などあり、これを漆器で写したものもある。
その他宗家の好み物も多数ある。また吹寄せなどを盛る箕・籠の類、竹とか瓢とかおよど干菓子を盛るに足るものは使用できる。
宗旦好みの椰子の菓子器もおもしろい。その時代を思えば珍器であったであろう。


  振出し
ふりだし
茶箱とか茶籠用のもので、金平糖や砂糖豆・霰・納豆のような極く小さい菓子を入れるもので、口はトウモロコシの皮の栓をする。
茶会の趣向で、惣菓子器代わりに振出しを用いるようなこともある。
なお、時には待合の香煎入れにも共通して使われる。振出しは青磁・祥瑞・染付・織部・唐津・備前など、各種の焼物でできている。


  干菓子器
ひがしき
■ 干菓子器の扱い方
主菓子に続いて干菓子が出された場合、正客は惣菓子器を主菓子鉢の向こうに置く。惣菓子器は適当な時を見計らって取り回す。器をおしいただいて、縁外に置き、
懐紙を膝前に出し、左手を器に添えて、懐紙の上に干菓子をそれぞれ取り、指先を清めて、器に盛った菓子がくずれないようにして拝見する。
末客は菓子を取ると、惣菓子器を正客の前まで持っていく。(大寄せの茶会などでは、向きをかえて前に置く。)


好み菓子
堀内流
ほりのうちりゅう
堀内流歴代家元の好み菓子。
鶴叟好(五代) 若草饅頭
松翁好(八代) 柚饅頭

不仙斎好(十代) 早苗金団・翁草・卯の花巻


参考文献:『茶菓子の話』(淡交社)、『カラー 京都の菓子』(淡交社)。すべて鈴木宗康先生著



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