糖芸菓子

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50音別          
ジャンル別 歴史 主菓子 干菓子 菓子器関連 好み菓子



50音別  ま  
歴史
味噌松風
みそまつかぜ
薄く長方形に切ったもので、両面を鉄板で唐板のように焼いたものである。

  武蔵野
むさしの
湿粉と蒸羊羹でできており、武蔵野の秋の景色をあらわしている。

  紋菓
もんか
御紋菓。神社・仏閣に詣でた時にいただける。打物の落雁で各所の御紋を型どっている。打物といわずに押物の代名詞となっている。
京都の菓子屋にはこの御紋菓の型は数多くもっているが、それと同時に御出入りであるともいえる。
形としては、大きな一つ型もあり、五つほどの数のある型もある。
材料も寒梅粉の打物だけでなく、餡入りのものもある。

 
もち
『和名抄』に毛知比とある。「もちい」「もちいい」などといったらしい。望月のもちであるともいう。満月のことを望月という意味も含んでモチとなった。
平安朝は「モチヒカガミ」といって、鏡に重きがおかれるが、今でも神前に鏡のように円い形を作って飾られている。
御所や宮中の女官などでは餅を、異名を付けて「かちん」という。「搗飯(かちいい)」よりという説である。昔は儀式とか嘉例には必ず餅を使っている。鏡餅は、後に民間でも用いられている。

  餅菓子
もちがし
餅菓子は、糯(もち)粉・粳(うるち)粉・小麦粉・葛粉・そば粉・片栗粉と材料を変えていろいろの原料をもって、蒸したり焼いたりしてつくるものである。
そしてそれらには大別して二種類のものになる。
その一つは餅を皮として小豆餡に砂糖を入れて包んだものと、餅を芯にして餡で包んだ、いわゆる餡ころ餅である。
これらは京都市内でも多く見られる昔の茶店風の店に名物として残るものに多く、むろん東海道をはじめとして、各街道のみやげものに今ものこるものが多い。
はじめはむろん塩味であった。
これら餅菓子として発展してきたのも、やはり他の菓子のように、茶の点心として珍重がられ「蒸しもの」として餅菓子類が記録されている。
寛永の『料理物語』や、文化の『餅菓子即席増補手製集』などには、牛蒡餅・雪餅(せっぺい)・杉原餅・枸杞餅・御所様餅、近衛様餅などがまず見られるが、これらのものは現在の菓子から見ればむしろ料理に近かった。
時代とともに食膳の料理から離れて茶菓子となり、上菓子ともなった。
しかし京都から江戸へ行く餅菓子は江戸の庶民的なものとなり大衆的な菓子としての代表菓子となった。
餅には適度の弾力があって甘さがある。
餅の原料である糯米は粳米より消化もよく、栄養価の高いことを考えるとき、餅が好まれたのは当然といえる。
餅は餅屋というように、関西では菓子と餅は分業して作られる。
餅の種類にはお供えや、椿餅、鳥の子餅、ひし餅、大福餅、と沢山ある。
餅菓子は、刻々と変化するものであって、タイミングをはずすと堅くなったり味も変わるが、焼いたり、蒸したりするとまた食べられるものでもある。

  糯米
もちごめ
餅の原料となる。

  糯粉
もちこ
⇒ 糯米

  都をどり
みやこをどり
京の春は、都をどりではなやかに幕が開ける。
明治五(1872)年に開催された博覧会の余興から始まり、百年余りの歴史がある。
舞台で、若い舞妓の「都をどりは、よういやさーーー」の声は、耳をはなれない。

主菓子 未開紅
みかいこう
この銘は紅梅のことである。その名のごとく、女性的な感じであって、皮は薄とき色であり、白のこなしを重ねて漉餡を四方より包み込み、中央に黄色のしべをつけている。
縁高の蓋をとると黒地にとき色が美しく冴えて見える。
 『御前菓子図式』"未開紅"の項に、

  だんご紅にて染め、薄くのばして四角に切り、上に落雁の炒粉を付る也。

  内へ羊羹包み申候、角よりよせ申候

とあって、姿・銘はにているが羊羹を包み込んでいる。宝暦の書にも材料は異なるが現代にも使える姿はあるわけである。

 
ます
四方形の薯蕷製で上に焼筋を入れ、豆枡の形に作られた菓子で、漉餡を包んでいる。

  窓の梅
まどのうめ
下地窓に梅花を散らし、なんとなく早春の訪れを感じさせてくれる菓子である。
庵の松風の音を聞き、梅の香を連想するこの菓子は、薯蕷皮の四方形で、餡は漉餡で仕上げている。
また同名で、餅皮で小豆の漉し餡を包み、形を丸型に作り、上部の皮の中に大徳寺納豆を散らし込んでいるというのもあり、裏千家十二代 円能斎好みである。

  麦手餅
むぎてもち
麦刈りの頃に、畦などで昼食の代用に食べる漉し餡を包んだ大振りの長めの餅である。
豆の粉をまぶしたような上品なものではなく、野趣あるもので、麦手餅の名から麦を模して茶菓子として使用された。
店によっては少しは形や趣を変えている。

  待宵草
まちよいぐさ
この花は月見草とは別種のものであるが、同様に思っている人もいる。
月見草は白色の花をつけるのに対し、待宵草は黄色の花である。
月見草は九月のようであるが、夏の季節の花である。
黄色いういろ製を折り込んだ形は待宵草をあらわしている。

  水無月
みなづき
 
  水藻の花
みなものはな
 
  水鏡
みずかがみ
 
  藻の花
ものはな
白の葛皮を用い、青色の餡玉を三方から包んだもの。
裏千家十三代 淡々斎好。
北海道のマリモにちなんで好まれたようにも思われる。思い出深い好み菓子である。

  水牡丹
みずぼたん
 
  深山の雪
みやまのゆき
 
  みのりの秋
みのりのあき
 
  稔り
みのり
 
  万寿菊
まんじゅぎく
 
  まさり草
まさりぐさ
 
  都の春
みやこのはる
きんとん仕上げで、半分は淡紅色で、もう片方は緑色の染分け。”柳桜をこきまぜて”と、春の錦に見立てたもの。餡は小豆餡。
武者小路千家十二代 愈好斎好。

干菓子
結柳
むすびやなぎ
正月の床の間、または点前隅の楊枝柱にある柳掛釘に青竹の花入をかけ、白玉椿などそえて枝垂柳をさす。
柳は陽気を招くとして挿し、その枝を一つ結んで畳にひきずるほど長いものが喜ばれる。
有平の青く染めたものを結柳の輪にして、白胡麻を散らし、芽出し柳を思わせる菓子。

  万代結
まんだいむすび
千代結びは蝶結び(稚児結び)であるが、万代結びの結び方はちょっと変わっている。白の有平で斜めに赤筋が入る。
裏千家十一代 玄々斎好。

  窓の梅
まどのうめ
窓前香梅花の語句を想わせる。
吉野窓に梅花を浮き出した打物である。
冬至のころから咲く冬至梅は、季節的には正月ごろ咲き初める早咲きの梅である。

  松葉
まつば
緑色で松葉型を有平糖で作る。

 
みず
 
  水草
みずくさ
 
  水面
みなも
 
  村雀
むらすずめ
 
  もみじ
 
  松ケ枝
まつがえ

  松かさ
まつさか

  三楽
みらく
葛または片栗製の打物である。白と淡紅の二種となっており、月と花が浮出しとなる。直径はおよそ3cmほどある。
表千家十代 吸江斎好。

  松風
まつかぜ
更衣生地仕立てで、源氏香の図形があり、長方形の型物。栗餡を入れる。
武者小路千家十一代 一指斎好。

菓子器関連
銘々皿
めいめさら
縁高を略したものであり、同じ形の物で、各人にそれぞれ出すもの。
直径約五寸(約15.2cm)ほどの揃ったもの。
古会記などに「メンメン」とあるのがそれである。
南鐐・砂張・陶磁器・漆器などがある。
黒もじを一本ずつ添えて出す。
立礼には銘々菓子器が適する。

■ 銘々皿の扱い方
一客分の菓子を一つの皿に盛って出すもので、銘々に黒もじを添えて出す。
客は両手で銘々皿をおしいただいて、懐紙を出し、黒もじを使って菓子を懐紙に取る。銘々皿を懐紙で清めてから拝見するが、拭う注意は縁高と同様である。銘々皿を重ねるときは懐紙を敷いて重ね、傷がつかないようにして返す。

  銘々盆
めいめいぼん
⇒ 銘々皿
好み菓子
武者小路
むしゃこうじ
武者小路(官休庵)歴代家元の好み菓子。
直斎好(七代) くづ焼
一指斎好(十一代) 松風・名取川
愈好斎好(十二代) 夏木立・都の春

参考文献:『茶菓子の話』(淡交社)、『カラー 京都の菓子』(淡交社)。すべて鈴木宗康先生著


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