糖芸菓子

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ジャンル別 歴史 主菓子 干菓子 菓子器関連 好み菓子



季節別  9月  
歴史
月見
つきみ

嵯峨大沢の池では、中秋の名月になると優雅な大宮人の龍頭の船を浮かべ、月見の宴が開かれる。月見台にはススキ、萩などの七草の花を活け、月見団子を供えて琴の音がかなでられる。
この風習は中国から入り、平安時代初期の宮中観月記録がのこっている。京都には観月の名所も多い。

  重陽の節供
ちょうようのせっく
旧九月九日、九は陽の数で、これを重ねるので重陽の節供という。
中国に端を発したもので、わが国では平安朝から行われており、宮廷では非常に重んじられる行事である。これが民家では栗めしをたいて栗の節句と呼んだ。旧暦にすれば菊の盛りであるから菊の節句とも称され、菊花の宴の催もある。
この月は異名を菊月、菊咲月、菊開月ともいう。しかし、夜長月であるから一般に長月ともいわれている。

主菓子 小萩餅
こはぎもち
秋の七草の一つで、はぎの生え芽の意味だそうで、旧い株から新芽が萌え出すので、こういわれ、昔から秋を代表する草で草冠に秋という字を書いて「はぎ」とよませた。
緑色の餅菓子に萩の花の美しい色が可愛く見える。

  桔梗餅
ききょうもち
桔梗は、秋の七草の一つで、枝上に紫碧色をした鐘形の五裂の鮮麗な花が咲く。
餅菓子の桔梗型をしたもので、こし餡を包んだ季節菓子である。
六月の嘉祥菓子に入る。

  萩の餅
はぎのもち
江戸時代の中期に栄えた餅加工品の一種で糯米と粳米とを合わせて蒸し、飯にしてすり鉢の中で摺る。それを団子にして蒸し、小豆餡か大豆粉をまぶして食する。
これを「萩の餅」とも「萩の花」ともいう。
「お萩」などともいわれるが、萩の花の咲き乱れたところからその銘がつけられ、牡丹の花にも似ているので、「牡丹餅」ともいう。

  白露
はくろ
二十四気の一つ、処暑ののち十五日、新暦にして九月七、八日頃である。
秋の気配がようやく訪れて、露を結んで白くなった様子をいったもので、草木の葉などに露がたくさんできる。
緑きんとん製で上に露のごとく錦玉の光が美しく輝いている。

  月見団子
つきみだんご
団子は唐菓子の団喜の系統をひいている。
米の粉に砂糖を加えて練り、適宜の大きさに丸めて蒸す。
月見には団子を供える習慣があって、ススキ、芋などとともに三宝に15個盛る。日本では宇多天皇の寛平九(897)年に宮中にて観月の宴を催されたのが発端となったと伝わる。

→ 月見

  小芋
こいも
芋名月とは、陰暦八月十五夜の月を観賞するのに里芋の子の皮をつけたままで蒸した衣被(きぬかつぎ)を三宝に盛って供えるところからきているようである。
これにちなんで、こし餡をこなしで包んで小芋に似せたもので、ところどころに子がついて愛嬌があり、中秋の月に寄せる菓子にふさわしい。

 


きぬた

砧とは、麻、楮(こうぞ)、葛などの衣服用の布地を柔らかくするために板の上に置いて木槌で打つことである。
昔から秋の夜にその音は寂しさを誘い、詩歌にも詠まれている。
白求肥製で、紅餡を巻き込んだ口当たりのよい菓子である。

  法の袖
ほうのそで
黄色の餅菓子で香包の品のよい型の上に源氏香の焼印を押したものである。
その他にこの銘は裏千家十二代 円能斎好みの法事菓子があり、白、黄二枚重ねの外郎仕上げで、中に調味した味噌餡を入れ、四つ折にする。柚味を薄くつけることもある。

  十五夜
じゅうごや
旧暦八月十五日(中秋の月)で一年中でこの夜の月がもっとも澄んで美しいとされ、世界各国の月の見方も異なるといわれるが、古くより日本では月に兎の話が伝えられている。
薯蕷饅頭の天を焼いて兎の姿を残している。

  うずら餅
うずらもち
求肥皮で鶉黄味餡仕立てになって、上に少し胡麻をふっている。他に求肥皮に焼すじを一の字に入れて鶉の背に見立てたものや、餅菓子などもある。
鶉はずんぐりとした形で羽色は枯草色、声がよいので籠に飼われるらしい。秋の草原にいて、よく草の下などを駆けてゆく。

  待宵草
まちよいぐさ
この花は月見草とは別種のものであるが、同様に思っている人もいる。
月見草は白色の花をつけるのに対し、待宵草は黄色の花である。
月見草は九月のようであるが、夏の季節の花である。
黄色いういろ製を折り込んだ形は待宵草をあらわしている。

  初雁
はつかり
白のこなし皮で小豆餡を包み、直径4.5cmほどの平たい丸型に作り、表面に雁の型を押したもの。高さは1.5cmほど。
裏千家十二代 又妙斎好。
蒸羊羹仕立てのものは、裏千家十四代 淡々斎好。
これは、中に百合根を散らしてあり、小口切にすると、一つか二つ切口に白い百合根が雁のように見える、というもの。葛の黒砂糖製もある。

  がらん餅
がらんもち
餅菓子。
がらんとは伽藍で、僧園または精舎で僧が集まり住んで仏道を修するところである。
この菓子はその伽藍石、いわゆる礎石をかたちどったものである。
法事、仏事などに使用されることが多い。

  月羹
げつかん
棹物。
白小豆の羊羹を丸い棒状にして小豆餡の羊羹で外部を丸く包み、小口切りとする。
文化、文政ごろの菓子である。
裏千家十代 柏叟好。

  萩の露
はぎのつゆ
緑色のきんとん地の上に小豆をちらしたものであるが、この他に道明寺の中へ小豆を散らし、青く染めた寒天を加えて煮あげた棹物もある。
小口切にして使い、青色の中に道明寺の白、小豆の薄紅が透けて見え、この菓子の銘をよく表現している。小豆を萩の花として白花、紅紫花をちらしている。
白露を とらば消ぬべし いざや この露にきそひて 萩の遊びせむ  万葉集

  桂の月
かつらのつき
月を詠んだ詩歌俳句はもちろんのこと、画題にも沢山あり、俳句などで月といえば、秋のそれを指している。水面にその光が映るのを喜ばれる。
餅皮を半月に折り、桂川の月に見立てている。

水一筋 月よりうつす桂川    蕪村

  野分
のわけ
桔梗のこと。
桔梗は多年生草木で、秋のあさがおは桔梗をしめしたものといわれる。
万葉集には憶良の七草の歌などがあるが、桔梗というのが今日の定説である。
新撰字鏡に桔梗を阿佐我保と訓み、昔の呼び名もある。
薄紫のういろ製。

  一葉
いちよう
秋のはじめ、風も吹かないのに大きな桐の葉がふわりと散る。
「桐一葉」または「一葉」ともいう。
こし餡を黄色、緑色に着色し、茶巾しぼりのごとくなるべく腰を低くして絞りあげ、上部を細く茎のように仕上げる。

  尾花
おばな
ススキの叢を尾花といい、山野に茂る。
九月を過ぎると棹の頂に中軸から分かれた黄褐色もしくは紫褐色の一枚枝からなる花穂を出す。
花穂は尾花と呼ばれ、秋の七草の一つに数えられる。
この菓子も小豆練切生地に青色中餡を包み、白練切を薄く延ばして、茶巾しぼりのあと小豆練切の茶色と白練切の二色をわけたもので、秋の風情の色合いがある。

干菓子 枝豆(月見豆)
えだまめ(つきみまめ)

  芋の葉
いものは

  小芋
こいも
(主菓子) 芋名月とは、陰暦八月十五夜の月を観賞するのに里芋の子の皮をつけたままで蒸した衣被(きぬかつぎ)を三宝に盛って供えるところからきているようである。
これにちなんで、こし餡をこなしで包んで小芋に似せたもので、ところどころに子がついて愛嬌があり、中秋の月に寄せる菓子にふさわしい。

  雁来紅
がんらいこう
 
  栗の穂
くりのほ
 
  初雁煎餅
はつかりせんべい
 
  藤袴
ふじばかま
(主菓子) 外皮を玉子入り皮で小豆餡を巻き、棹物にしたもので、小口切りにして出す。

参考文献:『茶菓子の話』(淡交社)、『カラー 京都の菓子』(淡交社)。すべて鈴木宗康先生著


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