糖芸菓子

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ジャンル別 歴史 主菓子 干菓子 菓子器関連 好み菓子



季節別  5月  
主菓子 唐衣
からごろも
謡曲の杜若をおりこんでいて、杜若の色合いが外郎皮に出ている。
この謡曲は『伊勢物語』で「或る人の曰く、かきつばたという五文字を句の上にすえて旅の心をよめよといいければよめる"唐衣、きつつなれにし 妻しあれば、はるばる来ぬる 旅をぞ思う"とよめりければ…」とある

  藤の花
ふじのはな
明治の頃から伝わるもので、白外郎に小豆漉餡を包み、上部に小豆粒をつけたものやしんこに小豆粒をつけたものである。
求肥皮で白餡を包みあげることもある。
"藤の花"といわれてみればどことなくそう思われるところに茶味がある。

 
ちまき
端午の茶にはなくてはならない菓子である。
粽に関しては、いろいろ故事が伝えられている。
粽の語源もいろいろあって、茅の葉で包むので茅巻ともいい、千巻の鉾に由来してともいう。形も場所によって様々である。
粽といえば、京都では水仙粽か羊羹粽であるが、地方では外郎粽という新粉仕上げが多い。
粽は古来から使われている。『延喜式』に見られるから、927年にはあったといえる。粽は中国で始まったものといわれ、京都では五色の糸の粽が「御所粽」として伝わっている。
五色の糸の粽は、邪気を払うといわれ、疫病をのぞくという故事に基づいていて、節句で厄除けとしても伝わっている。
また、播磨の蘇民将来が茅の葉を5月5日に軒にのせて疫病よけにしたというところから、茅や笹で団子を包み5月5日にこれを食べると疫病にかからないといわれる。

  岩根躑躅
いわねつつじ
黄緑のきんとんを山に見立て、冴えた紅色を散りばめた菓子である。

  岩躑躅 折りもてぞせこが着し
   くれない染めの色に似たれば

と和泉式部の歌にも花の色彩を歌われており、源氏物語にも岩躑躅はみられ、季節の代表花木として愛されていたようである。
同名の菓子でも、店によって形の変わったものが数多い。

  青楓
あおかえで
練り物で漉し餡を包み、楓の形をあらわした菓子である。楓の若葉の鮮やかな緑色は、清々しさを感じさせてくれる。

  麦手餅
むぎてもち
麦刈りの頃に、畦などで昼食の代用に食べる漉し餡を包んだ大振りの長めの餅である。
豆の粉をまぶしたような上品なものではなく、野趣あるもので、麦手餅の名から麦を模して茶菓子として使用された。
店によっては少しは形や趣を変えている。

  柏餅
かしわもち
柏餅の名は古くからあるが、節句には粽が用いられ、柏餅が季節のものとなったのは、江戸寛文(1661年)の頃らしい。
上代から柏の葉が食器がわりに使われていた名残りが、餅を包んで柏餅となったもので、柏餅は粳米の粉を団子に練ってよく搗き、楕円形の扁平にした中に漉餡か味噌をはさんで編笠に作り、柏葉一枚を二つ折りにして包んだものを蒸して出す。
今日では、柏餅は季節になると全国どこでも見受けられるが、桜餅のように名物という肩書きはない。
江戸末期の浮世絵師歌川広重が東海道五十三次を描いた中に猿ヶ馬場の柏餅がある。
新潟県佐渡島の海府ではカシワの葉でちまきのように巻いた餡入りの菓子を五月の供物としているが、地方によっては柏餅をお盆の供物としているところも多い。
たとえば鹿児島の沖永良部島ではモロコシを原料とする柏餅が七月の精霊祭に必需の供物とされている。
長崎の壱岐島でも、アカメガシワの葉で包んだだんごを「かしわだんご」や「みやけだんご」などといって送盆の精霊舟に積み込んで流す風習がある。ここでは小枝についたままの葉に包んだちまきに少し似たものである。
山口の児島では、五月節供には粽だけで柏餅は使わない。
盆の十五日に赤飯を柏の葉に盛って供える。柏の葉が古来食物を盛るのに使われた事実から見て、盆の精霊に供える食饌を柏の葉に盛ることは自然であって五月の節供にも適用されたのであろう。
京阪地方では男子出産の初の端午の節句に粽をくばり、二年目には柏餅を送るのであるが、江戸では初午より柏餅をくばっていたらしい。
嘉永以後からは、柏の葉一枚を二つ折りにする場合、餡入りには葉の表を使い、味噌入りには葉の裏を使って標とするようになった。
葉は乾かして貯えた葉を湯に通して戻し、これで餅を挟んで蒸し、その香りを賞味するのである。新葉を蒸して作るものもあるが色彩ばかりで香りがない。
味噌を使うことは昔の調味法の遺風で、その素朴な味は餅とよく調和する。珠光餅などもその一例である。砂糖が一般に使われるようになって、白味噌に砂糖を加えてやや柔らかめに造り、好みによって粉山椒を少々混ぜたり、また白餡を少量加えることもある。

  花菖蒲
はなしょうぶ
蒸しこなし製で、光琳写しの花菖蒲をかたどって白餡を包んだもので季節に適している。花菖蒲は水辺の多年草で燕子花(かきつばた)に似ているともいわれる。

干菓子 卯の花結
うのはなむすび
青と白の有平糖で仕上げ、卯の花の白い花を連想したものである。

  たづな

  沢潟
おもだか

 
あおい

  あやめ草
あやめそう

 
いかだ

 
いわ


 
くつわ

  楓の美
かえでのび

  菖蒲
しょうぶ

  菖蒲皮
しょうぶひ

  杜鵑花
さつき
 
  吹流煎餅
ふきながしせんべい
 
  花橘
はなたちばな
 
 
 

参考文献:『茶菓子の話』(淡交社)、『カラー 京都の菓子』(淡交社)。すべて鈴木宗康先生著


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